テスト放送時のチェック箇所

リハーサルの際にどのような部分をチェックするかを順番に書いておきたいと思います。
放送をしてみたい方も事前にどのようなチェックを行えばいいか確認してみてください。

※今回はFMEを使った場合を仮定して書いています



●画面
512*384のサイズで表示ができているかを確認します。
 ○チェック箇所
  ・ソフト画面の表示
    アタック25用ソフトでは黒帯を指定しないと表示できないなど制約があります
  ・前説画像等のイメージビューワ
    イメージビューワを画像サイズに合わせず隙間があると、その隙間まで表示されてしまいます


 →失敗している場合
  ・FMEの設定を確認する(VideoのInput Sizeが640*480等になっていませんか)
  ・イメージビューワのサイズを調整する



●ソフト操作
ソフトを問題なく操作できるかを確認します。
 ○チェック箇所
  ・ソフトの操作全般
    どのタイミングでどのボタンを押せばいいか把握していますか
  ・ソフトに組み込んだ音が指定したボタンを押した際に正しく再生されるか
    アタックチャンスボタンを押したのにシンキング音が流れたり、音が出なかったりしませんか(音量は後ほど確認します)


 →失敗している場合
  ・ソフトの操作を再度確認する(できるだけ練習してください)
  ・音源ファイルを再確認する(アタック25用ソフトはファイルのパスにスペースが含まれると音が再生できません)



●音
放送の際はDeskTopLevelMeter等を使ってください。
できれば台本の横に配置して本番中もモニタリングできるようにすることを推奨します。
http://www.geocities.jp/enameymo/soft/soft.html
http://www.vector.co.jp/soft/winnt/art/se383683.html
※どうしても環境上使えない場合はFMEにあるレベルメーターを見ながら確認してください
 ○チェック箇所
  ・声や効果音(SE)・BGMが音割れしていないか
  ・声と効果音(SE)・BGMのバランスは合っているか


音については細かくチェックする箇所があります。
このコミュニティでの放送は音声出題であるため、集中して聞いているのに妙に音が小さかったり、大事なところで音がブツブツと割れたりしてしまうと参加者の方にも迷惑がかかってしまうため、しっかりと前準備をしましょう。


また、ヘッドセットやヘッドフォンなどを使い、音はスピーカーから出力させないようにしましょう。(※ハウリングの原因になります)
マイクを通した自分の声を聞くことになりますが、それはモニタリングのためにも必須です。これは慣れるしかありません。



1.DeskTopLevelMeterを右クリックし「ピーク+VU」を選択します。
   VUメーター(色が明るくなる表示)が人の耳に聞こえる音量を指し、ピークメーター(白い横線)が瞬間的な音量を指します。
   子音の発音などには破裂音があり、瞬間的に大きな音になりやすくなっています。
   そのためVUメーターよりもピークメーターの方が高い数値となります。(常時白い横線が一番高いところにあります)
   このピークメーターが0dbを超えると「CLIP」となり、視聴者にとっては確実に音割れ(ノイズ)として聞こえてしまいます。

   ※コンプレッサーやリミッターを搭載した音響機器を使っている人なら「CLIP」しないような設定ができますが、
   そのような機器がないならば、「CLIP」させないように音量を調整するしかありません。


2.放送時の平常状態の声量がピークメーターで最大-6dbくらいになるようボリュームコントロールでマイク音量を調整します。
   最大音量を0dbギリギリに設定してしまうと、興奮するなど少し大きな声になった時にすぐ「CLIP」してしまいます。
   絶対に「CLIP」させないためには、少し小さいかもしれませんが音量を控えめにすることが重要です。
   そのため、ピークメーターが最大-6dbになるように設定を行います。
   また、平常時とは異なる大きな声を出すのは控え、叫ぶような場合は声を引きながら叫んでいるように発声するなどテクニックが必要となります。


3.効果音(SE)の音量を調整します。
   ここでの効果音(SE)とは、ソフト(アタック25用ソフト等)に組み込んだ効果音のことを指します。
   まず話してから効果音を流して、声と効果音の音量バランスを確認します。
   効果音にもよりますが、ピークメーターの最大が-12〜-20dbくらいになるといいと思います。(※声の平均VUによって変動します)
   ヘッドフォンから聞こえる音量バランスが適当か確認してください。
   また、視聴者にもバランスを確認してください(※基本的にヘッドフォンから聞こえるバランスと同じものが聞こえているはずです)
   音量が合っていない場合はこの時点でSE等の音量を調整します。
   XPならボリュームコントロールのWave(表記が違うものもあります)、7なら音量ミキサーを開いてソフト自体の音量を調節します。
   もし、効果音の中で音量が妙に大きかったり小さかったりするものがあれば、SoundEngine Freeなどの音声波形編集ソフトで音量を編集します。
   http://soundengine.jp/
   http://www.geocities.jp/dwakahara/soundengine/soundengine.htm  ※音量調整の項目参照


4.BGMの音量を調整します。
   ここでのBGMは、Winamp等のメディアプレーヤーで再生する音楽のことを指します。
   音量調整に幅が出ないよう、できるだけ抑揚(音量変化)の少ない曲を選ぶことをおすすめします。
   BGMには喋っている時に流すものと、喋らずに曲そのものを流すものに分かれます。
   喋っている時に使うものは、声の邪魔にならないようにピークメーターの最大が-18db〜-24db程度になるよう調整します。
   曲そのものを流すものは、声の平均VUに近いVUになるようVUメーターが最大-12db〜-18db程度になるように調整します。
   ※ただしピークメーターが「CLIP」しない範囲で調整します、また声の平均VUは機器によって変わりますのでレベルメーターを観察してください


   このBGMの音量調整は、メディアプレーヤー自体の音量調整パネルで行います。
   特にWinampは音量調整が数値として確認できるのでメモしやすくおすすめです。
   ※このとき、先ほど効果音調整の際に設定したボリュームコントロールや音量ミキサーの音量は変更しないでください(効果音の音量が変わってしまいます)
   ※曲によって音量調整が必要な場合は、それぞれの曲の音量をメモして台本などに記録しておいてください。(OPが50%、EDが25%など)


これで、音の調整は終了です。
音量の大きさをまとめると「声≧曲そのものを流すBGM>効果音>声とかぶらせて使うBGM」となります。
確認事項は多いですが、快適に視聴してもらうためにとても重要な箇所です。
しっかり調整してみてください。



●その他
放送のために必要な設定を確認します。
 ○チェック箇所
  ・放送時のタグ編集不可設定や顔出しタグ等を使わないこと
    不必要なタグは使わず、タグ編集も不可にしてありますか
  ・ニコニコポイントの購入確認
    放送が30分を超える可能性がある場合は、枠をまたぐと座席番号が変わってしまうため延長必須となります
  ・色文字や大文字等のコマンドNG設定
    NG設定タブに設定してありますか
  ・コメントビューアの確認
    放送中も問題なく使えていますか
    現在、nwhoisは放送用アカウントとは別のアカウントで直接ログインして使う必要があります
    またはギッシリアンコちゃんをnwhoisのように設定して使う方法もあります
    http://d.hatena.ne.jp/co30224/20080611/


 →失敗している場合
  ・テンプレ置き場「放送をされる方へ」の内容を再度確認してください
    http://d.hatena.ne.jp/co30224/20080602/



●リハーサル
前説から順に喋りとBGM・画面が同時に進行できることを確認していきます。
放送者はそれらが同時に操作できるようにデスクトップ上にソフトをばらして配置しておくことが重要です。
アタック25を行うならば、フィルム操作なども確認しておきましょう。
※本番に使う画像ではなく、例えば前説画像などでフィルムを行ってみてください
 ○チェック箇所
  ・問題なく進行できたか
    次に行う流れを把握していますか
  ・例題に不備や疑問点はないか
    本番には使わない問題を少し出題して、視聴者の反応を聞いてみてください


 →失敗している場合
  ・できるだけオフラインでも練習を行ってください
  ・問題作成を再確認してください



ここまで問題なく行うことができればテスト放送は完了です。



●視聴者に「ちょっとした非日常感」を感じさせるTIPS
テレビ番組への出演と言うのは、豪華なセットや人気タレントによる司会など、日常生活では体験できない非日常体験を与えてくれるものです。
しかし、私たちが行っているニコニコ生放送では、基本的に特別なセットもタレントも出てきません。
特にこのコミュニティでは、一般の人がデスクトップの画面を映すだけの放送を行っています。
では、この放送を見ている視聴者の方が、その画面を見てただのデスクトップを映しただけに見えない「(あくまでも)ちょっとした非日常感」を感じてもらうにはどうしたらいいでしょうか。
 ・マウスカーソルを消してみる
   SCFH DSFには「マウスカーソルの表示」と言う項目があります
   このチェックを外して「適用」ボタンを押すと、放送画面上にマウスカーソルが入っても視聴者側からは見えなくなります
 ・Excelを使う場合、操作パネルを全て放送画面外に置いてみる
   例えば『みんなでめくって ブランクイズ』の放送当初、めくるパネルをオートシェイプで描き、それをマウスで選択して削除する手法でした
   「ちょっとした非日常感」を出したかったため、そのような処理を放送画面外で文字や数値を入力して行えるような改修を行いました
   また、これは当初からそうでしたが、セルの色を塗ったり設定を変更してExcelの枠線を非表示にすることでExcelを操作している感じが薄れます
 ・イメージビューアのサイズを512*384の画像に合わせる
   SCFH DSFでイメージビューアをキャプチャすると、画像表示部分全てが範囲に含まれます
   これを512*384の画像を表示させた状態で、イメージビューアのサイズを1ピクセルのずれもないように合わせると画像が原寸大で表示され、上下左右に隙間が生まれません
 ・フォントや音など、視覚・聴覚的な効果に統一感を持たせる
   例えば企画のコンセプトに合わせて、フォントや音を、近未来的な雰囲気や昔の番組のような雰囲気に統一してみたり
   特にテレビ番組の企画を真似てみる時はこの方法が有効です
要するに、マウスやExcelなど「PCの画面を扱っているように見せない」ことで、ほんの少しですが非日常感を感じさせることができるかもしれません。
細かいところですが、このような部分に手間をかけてみると放送のクオリティが向上するかもしれません。



●(注意)画面や音が途切れる場合
FMEやソフトの使用によって瞬間的にCPU使用率が100%になっている可能性があります。
 →Akabei MonitorやタスクマネージャのパフォーマンスでCPU使用率を確認してください
  http://park8.wakwak.com/~akabei/
  CPU使用率が100%になる瞬間があれば、FMEfps(コマ数)や画質・音質を下げることで改善できる場合があります(最も効果があるのはfps
CPU使用率に問題がなければ、FMEの設定をもう一度見直してみてください。
 →ニコニコ生放送には384Kbps制限があるため、上限ギリギリならばビットレートを下げてみてください
  http://d.hatena.ne.jp/co30224/20090202/
それでも問題なければ、放送者の回線が安定していない可能性があります。
 →無線LAN等は途切れることもあるので注意してください
  有線接続でも契約回線によっては不規則に途切れる場合もあるようです



チェック箇所は多いですが、視聴者の方に迷惑がかからないよう、これらを定期的に確認しながら放送を行っています。
視聴者の方のためにも必ず確認を行ってください。よろしくお願いします。