一般人的クイズの作り方

お役に立てないかもしれませんが、「問題の作り方がよくわからない」という方のために、どんな風に問題を作っているかを書いておきます。



●全くクイズを作ったことがない人へ


まずは、この番組をご覧になると、どういう風に作ればいいのかがわかると思います。


NHK 伝える極意 「第8回 その答えに納得!〜クイズ〜」
http://www.nhk.or.jp/sougou/gokui/


デジタル教材としてアーカイブされているので、ページ内の「ばんぐみを見る」をクリックすると番組を全て見ることができます。(15分)
※トップページの内容が違う場合は、上部メニューの「ほうそう回」で「第8回 その答えに納得!〜クイズ〜」を選択


時間がなければ、「あらすじ」のページを見るだけでもポイントがまとまっていてわかりやすいです。(が、番組を見たほうが実感できます)
http://cgi2.nhk.or.jp/school/movie/outline.cgi?das_id=D0005180008_00000



挙げられた5つのポイントは以下のとおりです。


1.答えを決めてから問題を作る。


「参加者に何を答えてもらいたいか」を考えながら答えを決めます。
クイズがはじめての人でも楽しんでもらえる企画にするならば、答えを聞いて多くの人がわかるような単語を答えに選ぶといいのかもしれません。
また、知識量で差を付けたいという時には、知っている人が少ないと思われる単語を答えにしてみるといいかもしれません。


2.答えは一つになるように。そのためには、データやエピソードなどを付け加えましょう。


「答えが限定できる」ように、その答えになるようなエピソードを探します。
他にも答えがありえそうなエピソードならばしっかり調べる(裏を取る)か、他のエピソードを組み合わせて答えが1つになるようにします。
時代や場所・固有名詞などを付けることで限定できることも多々あります。


3.問題はみんなが答えられるように。


基本的にクイズとは、正解が出ないと成立しません。
「参加者を試す」のではなく、「参加者にこの答えを答えてもらうように仕向ける」ことが大事です。
適度に正解が出るような難易度にしておきましょう。


4.問題に「へぇー」と思う情報を。


有名なものでもいろいろと調べてみると、あまり知られていないけれど、面白いエピソードというものが意外とあります。
「こういうエピソードがあったんだけど面白くないですか?」と言うものを問題に組み込むのもオススメです。
皆が知っているような答えを問題にする時に、問題文を「面白いエピソード」から「答えがわかるような情報」の順に出すと、「へえ、○○ってそんなこともしてたんだ!」などと良い反応が得られやすいです。
ただ、あまりにそういうエピソードを詰め込みすぎると問題文が長くなりすぎてしまったり参加者が疲れてしまう可能性もあるので注意が必要です。
そのようなエピソードが余ったら、正解が出た後のフォローとして情報を出すと喜ばれるかもしれません。


5.ルールと役割分担を決める。


ルールはとても重要です。
ルールに穴があれば、企画が破綻してしまう可能性もあります。
自分でルールを構築するのが苦手なら、既存のルールを使うという手もあります。
http://ja.wikipedia.org/wiki/Category:%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%82%BA%E7%95%AA%E7%B5%84
http://www5.atwiki.jp/qqqnoq/pages/101.html
また、役割分担と役割ごとの作業の流れを決めておき、リハーサルなどを行うことでミスを減らすことができます。



これらのポイントを守ると、問題が作りやすくなると思います。


また、これは個人的な考えなのですが、
「出題者VS解答者」ではなく、「出題者は解答者を導く案内役」と意識することで、問題づくりが変わるかもしれません。
また、企画とは関係のない知人・友人などに出題して、答えが出るか確かめてみるのもオススメです。




●クイズに慣れる


まずは、テレビでクイズ番組を見たり、ネット上にあるクイズ問題を解いて、問題文に慣れましょう。
沢山見ることで、問題文の構成がどんなものか見えてきます。
問題を作る時の参考にもなるので、問題に数多く触れるのはとても大事です。


実はこれが一番重要だったりします。




●個人的な問題の作り方


あくまでも個人的な作り方です。


・「企画に来る参加者の傾向」を把握する
  クイズプロが集まるのか、それともクイズに興味がある一般の方が集まるのかによっても想定すべき難易度のラインが変わります。
  また、その年齢層によっても、70年代や90年代など得意な年代も変わります。
  大体の参加者層を見極めて、それに合う答えを考えると正解が出やすくなります。


  ちなみに、私がやっている「みんなでパネルクイズ アタック25」には、クイズプロとおぼしき方や、クイズに興味ある方が多数いらっしゃいます。
  メインの年齢層は20代〜30代くらいでしょうか。(もちろん10代・40代以上と思われる方もいらっしゃいます)


  難易度は、クイズに興味がある方やただ眺めている人でも楽しめるように、アタック25本家より「少し易しい〜少し難しい」ラインに設定しています。(揺れがあります)
  クイズプロの方には物足りないと思うかもしれませんが、難しくしすぎると一部の方だけが答えられるという状況になってしまいます。
  そうなると、初めてクイズ企画に参加する人たちへの敷居がとても高くなり、多くの人に楽しんでいただくという面では疑問が生じます。


  また、他の方にも企画していただくためのお手本として開催しているという面もあり、当面はこの難易度を保っていく予定です。
  回数を重ね、いろんな方が企画をされるようになった時には、難易度ラインを変える可能性があります。



・答えの案をできるだけたくさん書く
  いきなりたくさんじゃなくても、少しずつ書いて徐々に増やしてもいいと思います。
  得意なジャンルは自然と難しく、また苦手なジャンルは同様に易しくなってしまいがちです。
  その「答えの単語」の難易度はどのくらいかを客観的に見てみることが大事です。



・その答えになるような問題文のヒントを書いていく
  一発で答えが確定するようなものから、「へー」と言いたくなるようなマイナーだけど面白いエピソードなどを書いていきます。
  苦手なジャンルについてはヒントを出すのが大変かもしれませんが、その単語をじっくり調べ理解することでヒントを出せるようになります。
  問題を作ることは、自分の知識を広げること、また知識を再確認することに繋がります。



・ヒントを取捨選択して問題文にする
  「へー」というエピソード→答えが確定するヒントという流れにすると、反応がいいことが多いです。
  問題の答えが1つになるように気をつけましょう。
  苦手なジャンルについては、ヒントに出そうとしているエピソードで検索してみると、かぶっている他の単語が見つかる可能性もあります。
  自分の理解度も高まるので、できるだけ調べましょう。 



・できあがった問題をジャンルに分ける
  ジャンル分けの方法は様々です。
  私は「文学・歴史・社会・地理・科学・スポーツ・芸能・アニメゲーム・生活・雑学」くらいに分けています。
  細分化しすぎると逆に偏りが出たりしますので、AnAnやQMAのような分類くらいで十分だと思います。



・それぞれの問題に難易度のランクをつける
  できあがった問題に、5段階程度のランクをつけます。
  ここでの難易度は、「問題を最後まで聞いたときに答えが出てくる可能性」の大小で決めます。
  答えがマイナーな単語なら難しくなりますし、簡単な単語が答えでも、問題文のヒントが少なければ難しくなります。
  それぞれの要因を客観的に見て、大体でいいのでランクを付けてみましょう。
  こうすることで、それぞれのジャンルの問題が簡単なものが多いか、難しいものが多いかなどが見えてきます。


  簡単なものばかりなら、そのジャンルで難しい問題を作ればバランスが取れるようになります。
  先ほども書きましたが、難易度の判定は自分の得意なジャンルは一般的に難しいものでも易しく、苦手なジャンルは同様に易しいものでも難しく感じてしまいがちになると言うことを念頭に置いてください。



アタック25用の問題にするなら↓



アタック25の問題構成に近くなるようにジャンルごとの問題を振り分ける
  個人的な本家の出題イメージは、大体こんな感じです。
    文3 歴2 社2 地1 科2 スポ3(うち野球1) 芸4 ア1 生2 雑6
  大体でいいので、このくらいのバランスになるように出来上がった問題を配置していきます。
  日付や時事を先に作ってジャンル分けしておいて、優先的に使ってみましょう。
  ただし、日付・時事問題は難しい単語が答えになる可能性もありますので注意が必要です。



ただし、必ずしもアタック25の構成に似せる必要はないと思っています。

自分が好きな構成にして出してみてもいいと思います。

私もネット上の企画なので、本家よりもアニメゲームを少し多めに出すようにしています。




●ヒント


・読み上げ問題を作るなら、読みが不安な単語にはルビを付けておく
・問題文を聞くだけでは意味が把握しづらい言葉は、簡単な単語に置き換える
・事前に何度か通して読み、引っかかるところや文言が怪しいところを修正しておく(私は事前に2・3回ほど読んでいます(が噛みます))
・正解の単語が、言い換えが可能な言葉がないか調べておく
  (例)「ラグビーニュージーランド代表チームであるオールブラックスが試合前に行う踊りを総称して何と言うでしょう?」 正解:現地の言葉で「ハカ」/英語で「ウォークライ」
     「英語でウォークライと言われる、ラグビーニュージーランド代表チームであるオールブラックスが試合前に行う踊りを総称して何と言うでしょう?」とすると、揺れが減る
・由来に複数の説がありそのうち有力な説を1つ使いたい場合は、「〜という説もある」・「〜とも言われる」などと断言せずにぼかす
・問題を全て読んだ後に全員がフリップに書いて答えるような問題は、難易度を上げた方が差がつきやすくなる
・択一問題の場合は、既に正解が選択肢に含まれるので、上手くミスリードできるような誤答選択肢などを作り「選択肢までが問題文」として制作する



他にあったら勝手に追記していきます。